ニューヨークへ駐在・転勤・移住で来られ、これからご自身で車を運転されるご夫婦・ご家族へ。 マンハッタンだけでなく、Long Island、Westchester、New Jersey、Connecticutへ車で出かけられるようになると、アメリカでの生活の楽しみは大きく広がります。
一方、日本とは速度の考え方、スクールバス、赤信号での右折、チャイルドシートなどに違いがあります。周囲の車に合わせるだけでは分かりにくいルールもあるため、ここでは2026年8月30日現在の州・市の公式情報をもとに、最初に知っておきたいポイントを整理します。
「周りの車が速いから自分も同じ速度で」「5mphくらいなら大丈夫」「10mphまでは捕まらない」という考え方はおすすめできません。制限速度は道路標識が基準です。また、NYCの速度カメラが反応する基準と、警察官による速度違反の取締りは別のものです。
1.速度制限|「何mphまでなら大丈夫」という法的な許容幅はありません
アメリカで運転を始めると、高速道路でも一般道路でも、周囲の車が制限速度より速く走っているように感じることがあります。しかし、周囲の流れが速いからといって、速度超過が合法になるわけではありません。
New York Cityの一般道路は、別の表示がない限り原則25mphです。 Highwayなどは個別の掲示速度に従ってください。住宅地やSchool Zoneなどでは、さらに低い速度が表示されている場所もあります。
New York State
New York State DMVのポイント制度では、速度超過は次のように扱われています。
- 1〜10mph超過:3 points
- 11〜20mph超過:4 points
- 21〜30mph超過:6 points
- 31〜40mph超過:8 points
- 40mphを超える速度超過:11 points
したがって、「10mphまでは違反にならない」という意味ではありません。
New York Cityの速度カメラ
NYCではSchool Speed Zoneの速度カメラが24時間・週7日・通年で稼働しています。現在の市の案内では、カメラが車両を掲示された制限速度より10mphを超えて走行していると記録した場合、車両所有者に違反通知が発行される仕組みです。
ここが重要です。 これは自動速度カメラの基準であり、「10mphまでは合法」「警察にも止められない」という意味ではありません。警察官による速度違反の取締りとは分けて考えてください。
New Jersey
New Jersey MVCのポイント表では、速度超過は次のようになっています。
- 1〜14mph超過:2 points
- 15〜29mph超過:4 points
- 30mph以上の超過:5 points
New Jerseyでも「少しなら問題ない」という公式な許容速度が設定されているわけではありません。
Connecticut
Connecticut DMVは、制限速度は理想的な道路状況を前提としたものと説明しています。雨、雪、凍結、視界不良、交通混雑などではさらに速度を落とす必要があり、掲示速度以内でも道路状況に対して速すぎる場合は違反となる可能性があります。
「何mph超過すると何%の確率で警察に止められる」という信頼できる公式の確率表はありません。場所、交通量、School Zone、Work Zone、天候、時間帯、運転状況などで事情が変わります。安心して運転する一番確実な方法は、周囲の速度ではなく道路標識を確認することです。
2.NYCでは赤信号での右折が原則できません
日本から来られた方が戸惑いやすいのがRight Turn on Redです。
- New York State:原則として、完全停止して安全確認を行い、禁止標識がなければ赤信号から右折できます。
- New York City:原則が逆です。右折を許可する標識がある場合を除き、赤信号で右折できません。
- New Jersey:「NO TURN ON RED」の標識がなければ、完全停止して交通・歩行者へ譲った後に右折できます。
- Connecticut:禁止標識がなければ、完全停止・安全確認後のRight Turn on Redが認められています。
郊外からManhattanへ入った時、またはNYCからLong Islandや他州へ出た時は、同じ赤信号でも考え方が変わることを覚えておくと安心です。
3.黄色いSchool Bus|州境を越えるとルールが少し変わります
アメリカで最も注意していただきたいものの一つが黄色いSchool Busです。黄色の警告灯が点滅し始めたら、バスが停止する準備をしている合図です。赤いライトが点滅しSTOPアームが出た時は、子どもが乗り降りしている可能性があります。
New York State
赤いライトを点滅させて停止しているSchool Busには、両方向から来る車が停止します。New Yorkでは、反対車線との間に中央分離帯があるDivided Highwayでも停止が必要です。NY DMVはバスから少なくとも20 feet離れて停止するよう案内しています。
New Jersey
物理的な分離帯のない道路では、進行方向に関係なく、赤色灯を点滅させた停止中のSchool Busから少なくとも25 feet離れて停止します。Divided HighwayでSchool Busと同じ側を走っている場合も停止します。一方、物理的に分離された反対側から接近する車は10mph以下で通過できるというルールがあります。
Connecticut
赤色灯を点滅させて停止しているSchool Busには、同じ側・反対側を問わず原則停止します。ただし、中央分離帯などの物理的なバリアで道路が分離され、バスが反対側にいる場合は停止不要とCT DMVは案内しています。
New YorkとNew Jersey・Connecticutでは、Divided Highwayの反対側にSchool Busがいる場合の扱いが同じではありません。州境を越えることが多いご家族は、ここを覚えておくと安心です。
4.チャイルドシート・ブースターシート|年齢だけで判断しない
日本から小さなお子様と一緒に来られたご家族は、チャイルドシートの基準も確認してください。州によって年齢・体重・身長の条件が異なります。
New York State
- 4歳未満は、原則として連邦基準に適合したChild Safety Seatが必要です。
- 2歳になるまで、または使用するシートメーカーが定めるRear-Facingの身長・体重上限に達するまでは、Rear-Facingで使用します。
- 4〜7歳は、体格に合ったChild Restraint System / Booster Seatが必要です。
- 8歳以上でも4 feet 9 inches未満、または100 pounds未満の場合は、適切なChild Restraint Systemを続けることが推奨されています。
New Jersey
- 2歳未満かつ30 pounds未満は、5-point harness付きRear-Facing Seat。
- 4歳未満かつ40 pounds未満は、条件に応じてRear-FacingまたはForward-Facingの5-point harness付きシート。
- 8歳未満かつ57 inches未満は、条件に応じてChild RestraintまたはBelt-Positioning Booster Seat。
Connecticut
- 2歳未満、または30 pounds未満:Rear-Facing。
- 2〜5歳、または40 pounds未満:5-point harness付きChild Restraint。
- 5〜8歳、または40〜60 pounds:Booster Seatまたは5-point harness。
- 8歳以上かつ60 pounds以上:Booster SeatまたはSeat Belt。
実際には、州法だけでなくお子様の身長・体重と、使用するチャイルドシートメーカーの上限を一緒に確認することが重要です。またNHTSAは、13歳未満のお子様は適切に固定したうえで後部座席に乗せることを推奨しています。
5.携帯電話|信号待ちでも触らない習慣が安心です
New York、New Jersey、Connecticutはいずれも、運転中のHandheld Phoneや電子機器の使用に厳しい規制があります。ナビゲーションは走り始める前に目的地を設定し、必要な操作は安全な場所へ停車してから行うことをおすすめします。
特にConnecticutでは、渋滞や赤信号などで一時的に停止している最中でもHandheld Deviceを使用することは禁止されています。
また、NYC Taxi and Limousine Commission(TLC)のライセンスを持つプロドライバーには、一般ドライバーよりさらに厳しいElectronic Communication Deviceの規則があります。 詳しくは「運転中の携帯電話とNYC TLCの安全ルール」でご案内します。
6.ニューヨークで生活を始めたら、運転免許の条件も早めに確認
旅行者と「州のResident(居住者)」では免許の扱いが異なります。New York State DMVは、他州・他国の有効な免許を持つ非居住者はNew Yorkで運転できる一方、New York State Residentとなった場合は、居住者となってから30日以内にNew York Driver Licenseを申請する必要があると案内しています。
日本の運転免許をお持ちの場合でも、駐在・転勤で生活を始めた際は「国際免許があるから長期間そのままでよい」と考えず、ご自身の居住州のDMV / MVCで最新の切替条件を確認してください。
7.ご家族で遠方へドライブ旅行されるときに
ニューヨークでの生活に慣れてくると、Hudson Valley、Catskills、Adirondacks、New Jersey、Connecticut、Pennsylvania、New England方面など、ご家族で遠方へ出かける機会も増えてきます。
アメリカのRoad Tripはとても楽しい一方、日本より一日の走行距離が長くなりやすいため、出発前の準備が大切です。
出発前に車を確認
- タイヤの空気圧・摩耗・損傷、スペアタイヤ
- エンジンオイル、冷却水、ブレーキなどのFluid Level
- バッテリー・Charging System
- ヘッドライト、ブレーキライト、Turn Signal
- ワイパー・Windshield Washer Fluid
- ガソリン残量、EVの場合は途中のCharging Plan
- 必要に応じてSafety Recallの確認
ルートは「目的地まで」確認
- 出発地点だけでなく、途中と目的地の天候を確認する
- Road Construction、事故、渋滞を出発前に確認する
- Toll Roadを使う場合はE-ZPassや支払い方法を確認する
- 山間部などへ行く場合はOffline Mapも準備しておく
- Rest Areaや休憩候補をあらかじめ何か所か決めておく
疲れる前に休憩
New York State DMVは、長距離運転では100 milesまたは2時間ごとを目安に定期的な休憩を予定するよう案内しています。眠気を感じてから我慢するのではなく、早めに安全な場所で休むことが大切です。
ご夫婦など複数の方が運転できる場合は交代し、「もう少しだから」と無理に走り続けないことをおすすめします。
車内にあると安心なもの
- 携帯電話と充電器
- 飲料水と保存できる軽食
- First Aid Kit
- 懐中電灯
- Jumper Cable
- Tire Pressure Gauge
- 季節に応じたBlanket・防寒具
- 必要なお薬
小さなお子様を車内に残したまま離れることは、短時間でも避けてください。外気温がそれほど高く感じられない日でも、車内温度は短時間で上昇することがあります。
8.公式動画・詳しい安全情報
写真がなくても理解しやすいよう、今回の記事では公的機関の動画・解説ページをご案内します。チャイルドシートは文章だけでなく、実際の取付方法を動画で確認することをおすすめします。
公式の動画・安全ガイド
NY・NJ・CTで、楽しく安全なドライブを
交通ルールを並べると難しく感じるかもしれませんが、必要以上に怖がる必要はありません。大切なのは、周囲の車だけを基準にせず、標識をよく確認し、時間に余裕を持ち、分からない場所では無理をしないことです。
車があることで、Long Islandの海辺、Hudson Valley、Connecticutの小さな町、New JerseyやPennsylvaniaなど、ニューヨーク市内とは違うアメリカの魅力にたくさん出会えます。新しくニューヨークで生活を始められた皆様が、ご家族と安全に、楽しくドライブを楽しんでいただければと思います。
空港到着直後、ご家族での移動、長距離移動など、ご自身での運転を控えたい日には日本語でご相談いただけます。
※本記事は2026年8月30日現在の公的機関の案内をもとにした一般的な情報です。交通法規、罰則、カメラ運用、チャイルドシート基準などは改正される場合があります。実際の運転時は道路標識を最優先し、各州・市のDMV / MVC / DOT等の最新情報をご確認ください。運転免許のポイントが他州・外国の免許へどのように反映されるかは、免許発行地や個別事情によって異なる場合があります。
公式情報: New York State DMV Driver's Manual | NYC School Zone Speed Camera | New Jersey MVC Points Schedule | New Jersey Driver Manual | Connecticut Driver's Manual | Connecticut Child Passenger Safety






